2016 SS 研究活動 大学研修
          大阪大学 ナノサイエンス研修

         
           
実 施 日 平成28年8月8日(月)
研修場所

大阪大学ナノサイエンスデザイン教育研究センター

研修日程

オリエンテーションおよびイントロダクション
各コースに分かれて研修(昼食含む)
@光学顕微鏡による生体観察

担当:新岡 宏彦
TA:布川 拓未
A電子線リソグラフィー法によるナノ加工

担当:荒 正人
TA:池田 拓民
B透過電子顕微鏡を用いた
原子スケールでの構造観察

担当:市川 聡
TA:坂本 浩捷
C理論計算で物質を考える

担当:下司 雅章
TA:小藤 勇介
総合討論
伊藤 正 (ナノサイエンスデザイン教育研究センター長)
研修の様子

@光学顕微鏡による生体観察











B透過電子顕微鏡を用いた原子スケールでの構造観察









C理論計算で物質を考える










生徒の感想

@光学顕微鏡による生体観察
蛍光色素を用いて、特定のタンパク質を調べることができるという特徴を利用して、もっと様々なものの特徴を知りたいと感じました。今回、皮膚の下にあり、コラーゲンをつくるという線稚芽細胞を観察しましたが、ホクロやシミの部分ではどうなっているのか、つまり、日焼けの影響をもっと細かく調べてみたいと思いました。身近なことですが、今回使ったような顕微鏡がないと調べられないと思ったからです。 
  
身近な多くのものに、蛍光色素が使われていること。リポビタンDの輝きに衝撃を受けた。

レーザーで透過して厚さ100?までのものを立体的に見えることが光だけなのに、どうして位置関係が分かるのかなと不思議だけどすごいと思った。レンズの上にオイルを垂らして屈折率を高くし、分解能をあげる技術は簡単なことだけどとてもよくできていると印象に残った。 

光学顕微鏡と電子顕微鏡の利点を合わせもった鮮明に対象の動きを見ることができるスーパー顕微鏡を発明したいと思った。 

私がイメージしていた光学顕微鏡とは全く違い、大きく、光(レーザー)の道筋を変える装置が大規模で驚いた。ペットボトルでも顕微鏡がつくれると聞いたので、欲しいと思った。蛍光の実験がとても面白かった。 


B透過電子顕微鏡を用いた原子スケールでの構造観察
日常の様々なことを原子レベルで考えることが初めてで、面白かったです。例えば、金属は柔らかいか固いかで言えば柔らかい。だ、なんて考えたこともなかったし、それが転位という原子の世界で起こっていることが原因だと思いもしませんでした。カーボンナノチューブの発見といい、視点を変えて物事を考えるのは大切なことだと思いました。

数億円する電子顕微鏡で原子が見れたのですごく興奮した。

缶が潰れる仕組みを、これまでは深く考えたことがなかったけれど、ナノの世界を見て、転位の存在を知り、それが缶が潰れる仕組みに影響していることが分かったので、自分の目では見えない世界で起きている変化についてもっと知りたくなりました。

これまでに見たことがなかった世界を見れて、自分のものに対する見方が変わり、視野が広くなったと思うので、今回参加できてとても良かったです。   


C理論計算で物質を考える
永久磁石に使われるネオジムはレアメタルであるとともに、ほぼ大半が中国でしか採出されないことには驚いた。テレビでレアメタルにかかわる物質を考え、作っていることは知っていたけど、実際の製作の前の段階で理論計算が行われていることは知っていなかったので、今の技術の根元が見えたような気がしました。 

中国などのネヲジウム磁石を使わず、日本の加工貿易をなくしていくために、それと同じ物質を探そうとして理論計算を用いるといきっかけを聞き、他にどのようなものを理由に理論計算を用いるのか知りたくなりました。また、理論計算をパソコンでする中で、その動き方はどういう式でなっているのか、この式はどういう意味をしているのかというのを知りたいです。家のパソコンでも使えるソフトだということで使ってみようと思いました。 
 
初めは何の文字を打ち込んでよいかわからず、次に進むと前のことを忘れてしまい、戸惑ってばかりいましたが、だんだんやり方に慣れ、自分1人でできるようになっていくのがすごく楽しかったです。

実際に理論計算をしていたときは、自分がプログラミングしたわけではないので、何が起きているかはあまり実感がなかったけれど、自分の知っていることが結果として出てきたときはとても驚きました。